今週の中野満
お作法。
当事務所は6月30日まで「No Go Out」でございます。
月末締切の計画策定支援に注力したいと思います。
昨今の自分の生活を振り返る中で、食事に対して見直す必要があると感じています。
特に「昼食」に対してです。
「忙しい」という字は心を亡くすという字で成り立っています。「忙しい」という自分勝手な都合で食事を軽んじていることに気づきました。何を食べるかという問題ではりません。
何を食べるにせよ、きちんと食事に向き合っているかという問題です。
何事にも「お作法」というものがあります。先人たちが時間を重ねて作ってくれた清い所作やしきたりのことです。例えば、冠婚葬祭に関する作法。習い事や人とのお付き合い・挨拶・お礼などの作法。数限りなく、それぞれの世界感の中で作法が存在します。
中でも食事の作法とは、料理によって違いますが、所作のことです。しかし、私の中にある食事の作法とは、「いただきます。」から始まり、「ごちそうさまでした。」で終わるまでのプロセスに「ありがたさ」を噛みしめたかどうか、という心のあり方、つまり心の作法でございます。(それが作法と言われるとそれまでですが。)
この心の在り方が忙しさにかまけて、心をなくし、ただただ目の前にある食べ物を貪るように食べてしまっている。早く食べ終わることが目的になり、次のやることに意識が向いている。全くもって「ありがたさ」、つまり感謝の気持ちを持ちながら、食べることができていない。
最近、おむすびに、はまっています。おむすびを作るには、先ず、天候に苦労しながら、手をかけてお米を作ってくれる人がいます。
それを運んでくれる人がいて、店頭で売ってくれる人がいます。そして、お米を炊いて、おむすびに握ってくれる人がいて、ようやく私はおむすびを食べることができます。
この長い道のりを経て、口にする人間が、スマホを見ながら、歩きながら、他のこと考えながら・・・。なんかそんな結末は残念ですね。
皆さまのおかげであること、生き物をいただくこと。対する感謝は、食べ物と向き合うことであります。最後の担当はそういう心持ちである必要がありますね。しめくくりとして。
池波正太郎さんの昔の本で「男の作法」という本があります。バッサバッサと、きりたぎるようなご自身流の作法を教えてくれる本です。
その中で、食べ物での作法をメニュー別にぶったぎっています。鮨屋で「シャリ」とか言わなくていい。「ごはん」でいいんだ!とか。天ぷらは揚げたてをかぶりつくようにしてたべるんだ!とか。たまにはうんといい肉で贅沢しなきゃ、ほんとのうま味を味わえない!とか。
すべてこれ、食べ物に対して愛があるから言えるんですね。それってしっかり食べ物と向き合って、いただいている証なんですね。
私もどんどん食べ物を好きになって、対して心を亡くさずに向き合う作法を磨いていきたいと思います。
貪り食いを止めて、「美味しい、美味しい」とゆっくりと。少々お酒と。
都度の生活の振り返りは、仕事の振り返りにもつながります。