今週の中野満
資金繰り。
本日は、ある製造業の会社社長と管轄の年金事務所に同席しました。
新型コロナウイルスの影響による、社会保険料の猶予制度の計画見直しの相談です。
現在は、現状かかる社会保険料と、猶予制度を適用していた期間の分を合わせて収めています。中小企業にしては従業員数が多い会社さんです。相当な額になります。
これは資金繰りに影響してくる額です。苦しいですね。
製造業の資金繰りは、十分な運転資本があるかどうかが、会社の生命線になります。運転資本とは、会社が営業を続けるために必要なお金です。
資金の流れには、入りと出であります。また、それぞれタイミングも違います。
入りは、当然、売上です。売上の回収方法は、現金・売掛・手形なのか、小売り業界ですとクレジットや電子決済など、様々な方法があります。
出の方は、従業員さんの給与はじめ、家賃などの固定費や製造に必要な原材料費などがあります。
次にタイミングの話に移ります。金額は仮です。(例文)
運転資本金が500万あります。売掛金600万円があり、回収日は毎月10日とします。
20日払いの買掛金が300万円あります。
月末に給与の支払いが200万円あります。
月初に家賃50万円の支払いがあります。
この場合、月初の50万の支払いが資金ショートでできません。
10日に売掛金600万円の入金がありますので、10日遅れ支払いは可能ですが、ビジネスの約束としてはNGです。
これが原材料の取引先ですと、信用はなくなり、回を重ねると取引停止となり、製造にも影響がでてきます。
上記は簡易的に書きましたが、資金の出の方では、銀行への返済はそれこそ冒頭書きました、社会保険料の支払いなどがあります。
金額の大小ではなく、資金の流れは非常に大事です。今、使えるお金をいくらあるのか。
今月はいつ(支払日)、どこに(支払先)、いくら(円)支払う必要があるのか、売上た金額の請求はいつ(請求日)して、いつ(回収日)入金になるのか。そのような資金の流れの計画を毎月おっていく必要があります。
この管理のことを資金繰り表といいます。
赤字でも倒産はしません。しかし、資金ショートは黒字であっても倒産します。
で、社会保険料の会社負担はなかなかきつもんがります。賃上げの件や、週労働時間による社会保険加入の義務など、売上が上がらない状況の中、出ていくお金だけが増えていきます。非常に運転が難しい時代ですね。
とはいえ、払うもんは払いたい。けど、ない袖触れないし。。。うーん、難しい。。。