中野満の日記
社名の由来
経営コンサルタントのお仕事は、お客様を知ることがスタートラインです。会社を知るということは、会社の一員になるという気持ちで、真剣に経営者様のお話を傾聴することから生まれます。ヒアリングを中心に対面的なコミュニケーションの時間を大切にしています。
その中でお付き合いがスタートした頃、必ず決まった質問があります。社名の由来です。なぜこの社名にされたのですか?という質問です。
会社名ってすごく意味があると思っています。しかし、社名を考えることはそう簡単ではなく、非常に悩むものです。
前株にするか後株にするか。他の会社で同じ名前はないか。シンプルに自身の姓や業をいれるか。造語をつくるか。漢字・ひらがな、それともローマ字か。と名前から考えるパターン。
もしくは、何をする会社なのか、何のためにある会社なのか、社会にどのようにインパクトをもたらせるのか、いわゆる理念と絡ませて名づけするパターン。まあ、両者をいったりきたりするのですが。いつまでも悩んでいられないので最終はエイヤ!で決定。
ときっと創業者の方は、多方面から考えをめぐらし、会社名を名づけたと思います。
その名付けた時の考えをヒアリングさせて頂くのです。代替わりをされている経営者様はご自身で名付けたわけではないですが、先代からきちんとその由来を引き継いでいます。もちろん、ご自身で名付けた経営者様も饒舌にその時悩んだエピソードも踏まえお話して頂けます。名前の由来のヒアリングは実に楽しいです。
会社名って、誰に知ってもらいたいか、というとお客さんなんですね。お客様が見て「わかりやすい」が一番ですね。例えば○○工業株式会社とか、株式会社○○自動車とか。何を業とされているかが一目瞭然で○○が社長の姓であったりと、非常にわかりやすくていいいですね。けれども、他と違う社名を求めてしまうのも人の真理でありまして、私もその一員です。
ちなみに大企業の名前の由来で、なるほどと思った例です。カメラで有名なキャノン株式会社ですが、キャノンという名前は「CANON」です。「観音様の御慈悲にあやかり世界で最高のカメラを創る夢を実現したい」という願いを込めた1号機のカメラの名前がKWANON(カンノン)だったそうです。それがCANONに変わっていったと。いやー御慈悲をあやかっていますね。
もう1社、ゲーム機器で有名な、任天堂株式会社は「人生一寸先が闇、運は天に任せ、与えられた仕事に全力で取り組む」という言葉から社名を決めたとか。他にもたくさん、なるほどと思うような社名由来はたくさんあります。これから会社設立を考えている未来の経営者の皆様は、そういった大企業の名付け方も勉強なさるのもいいかもしれません。
中小企業・小規模事業者の会社名も素晴らしい由来がある会社さんがたくさんあります。本日、コンサルティングをスタートした会社さんは、老舗の中小企業です。創業者の業に対する思い、生活で大事にしていたことやもの。そのような部分を造語として名付けておられました。響きのいいネーミングが納得できました。末永くお役に立てればと思っている会社様です。
引き続きがんばっていきたいと思います。