中野満の日記
思いの丈。
1+1=2という算数には正解がある。経営においてこうすれば、2になるという正解はない。けれどもどうすれば2に対しの不確実性を和らげ、解像度を高くすることができるか、すなわち、問題の解き方を導くことができるか。そのようなことに時間をかけます。
しかしながら、相当な時間を費やし思考投資をしても、うまくいかない時もある。「一体何が悪かったのか」となる。イメージしていた姿に対して、たどりつく正解を導いたはずだった。なぜだ?となる。
人には「思考の癖」がある。生きてきた分、仕事してきた分、勉強してきた分、たくさんの経験を通じて、考えるパターンみたいなものを自然と身に着けている。それは無意識にパターン化され自分では気づいていない。これは「思い込み」とか、強い「こうあるべき」みたいなものかもしれない。自分の場合。
この思考の癖を破壊したいと最近思う。
大した頭脳を持っているわけでもない。ただ人よりも少しだけ経営学を知っているだけである。それを振りかざす武器だとも思っていない。ただの知識であると思っている。けれども若い時のわけのわからない「よく当たる勘」みたいなものが消え失せ、「考えるとは分析からである」みたいな、よくいるコンサルの先生になってしまっている自分がいる気がする。
経営コンサルタントである以上、意見と根拠をセットで発言すべきとは思う。しかし疲れる。直感を大事にしたい。その直感をもとに論理をひっつけていきたい。論理構造を先に組み立ててしまうと、直感が生まれない。
論理の不整合でおきる、モヤモヤ感みたなもの、それが不確実性のこの世の中で渡っていく力かもしれない。つまり余白のない「こうあるべき」に対して、「知らんけど笑」という余白を残す。
多様性が主体となる前提社会において、もう論理で固まった定石とか通用する時代ではないかもしれない。答えがないモヤモヤ感を抱きながら前に進んでいく。これが不確実に立ち向かう「生き方」かもしれない。
ディランは「答えは吹く風の中」と歌った。
まさに実態のないもので、風の強弱により近くにありそうと思えば遠くに飛ばされてく。
人生もそうだけど、経営も「うまくいかないことが前提である」けれども厚かましくも自分も含めて「うまくいくものだ」と心の中で思っている。だって一生懸命やったもん。と。
しかし、安心してください。努力は報われないものなのです。けれどでも「努力なしの成功はあり得ない」のです。やるしかないのです。モヤモヤしながら。
よくわからない不協和音が鳴り響く時代に、きれいなコード進行で進めていきたい。その固定概念を捨ててしまおう。
余白を残しながらフレキシブルに携わる。ゆるく、モヤモヤしながら。