今週の中野満
神を細部に宿らせる。
何事も「時間をかける」という行為は、結果「魂が宿る」ということにつながり、なんらかの結果につながると思っています。
「神は細部に宿る」という言葉がある通り、建築の世界観はじめ、ものづくりやデザインの世界など様々な分野で「気持ちを入れる」場面があります。「形」ではないけれども私はヒトのコミュニケーションもそうである思います。
中でも企業の組織作りに従業員の顔を思い浮かべながら細部にこだわり、思慮を深め続け行動を示していく。これこそ経営における「神は細部に宿る」であると考えます。リーダーの並々ならぬ苦労により、魂を込められた組織は市場の変化に対しても強い組織となると実感しています。
「神は細部に宿る」を組織に例えた場合、有能なリーダーのもと強い文化の醸成が芽生えます。そこにはビジョンと戦略と戦術の整合性があり、人材の育成と共感する人材が集まってきます。組織文化は、リーダーが一連の整合した物語を示すことで、規律や行動要因が出来上がり、それに沿った人事考課制度、暗黙の前提認識が社員に醸成され出来上がっていきます。組織文化が強ければ、わかりやすく、弱ければ行動が中途半端になります。故に組織文化はなんとなくできあがった社風ではなく、リーダーの意識のもとマネジメントで出来上がるものと考えます。だから神が宿ります。
しかし、いくら有能なリーダーの魂が宿った組織でも、ずっと順風満帆ではなく、外部環境の変化により左右されることもあります。そのような変化を余儀なくされるとき、どういったリーダーシップがいいのかを考えたりします。特に、成熟事業であり確固たる組織文化が醸成されている場合、そのリーダーはどう立ち居振る舞うべきか。私ならきっと「今までやってきたことに間違いはない。顧客を獲得してきたんだから。」と思い、今まで積み上げてきたものを壊すことは考えにくくなります。
リーダーとしてのエゴを一旦横に置き、冷静に外部環境変化が生じている事実を受け止めると、自社の在り方、組織の在り方に変革をもたらされる他ない。客観的に私はそう思います。でも、「神は細部宿る」を実践してきたリーダーとしては、意思決定しづらい心境になるのは確かです。しかし、このまま変わらずに事業を推進していけば、顧客との距離が広がっていくことは必然です。
このような変革時に有能リーダーは、今までの正解(神は細部に宿る)を切り捨て、新たな戦略を創り上げ、それに合う組織文化の醸成、つまり市場と戦略に合致した新らしい組織づくりを目指すことになるんだろうと考えます。
肝入り。魂を宿す。神は細部に宿る。非常に大事な構えではありますが、そこに拘り過ぎるとそれが足枷となり、事業及び従業員を苦しめることになります。決してリーダーは市場の変化に適応することを妨げてしまう行動をしてはならないのです。つまり変革を起こさないリーダーは行動しないと同じです。
今までの成功要因文化をぶっ壊して、再度「神は細部に宿る」ではなく「神を細部に宿らせる」という行動をし、新たな組織文化を醸成してく。そして、また変革の必要性が生じた時は、今までの文化に固執せず執着せず、もっともっと細部に拘り、より神を宿すのです。その繰り返しです。それが中野満経営事務所風の学習する組織です。
今日も暑いですね。午後から顧問先様の事業部会議に参加します。その前におにぎりモグモグタイムです。
本日もよろしくお願いします。